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ゲームオタク 竹やぶ

とある新聞の社説に、こんなことが書いてあった。

「多くの若者は自己中心的である。自分以外はみな利害対立者であるという、ぎすぎすした世の中である。個人主義が行き過ぎて、孤人主義になってしまった。これは家族機能の崩壊が原因である。だから国は、家族の絆を深めるような政策を打ち出さねばならない」


僕がおもしろがったのは、家族機能うんぬんよりも、「孤人主義」を嘆く筆者の心境である。

戦時中は、「みんなでがんばって、戦争に勝とう!」というムードがあったので、なんとなく同じ方向に、国民が向かっていった。戦後から高度成長期にかけては、みんな貧困だったので、「一緒にがんばって、豊かな日本にしよう」というムードがあったようだ。で、力を合わせて働いた。

その結果、豊かな日本が実現した。戦争も、放棄して久しい。目に見える問題は、あらかた片付けてしまったのである。国民的課題は、今のところ無い。その時点で、もっと豊かになりたい人、現状でいいという人、現状でもしんどいのでもっと貧しくてもいいという人・・・、人は様々なほうを向きはじめた。そこで自分の持ち物を携えて、今度は自分の好きな方向へ行ってみようという時代になった。つまり価値観が多様化した。

そうなって、だいぶになる。日本社会は、新たな局面を迎えつつある。みんながてんでばらばらに自分の行きたい方向に流れた結果、「二極化」が表面化しつつある。時代は、混沌から定型的なものへと進行しつつある。
経済的にも、知能的にも、体力的にも、技術的にも、道徳的にも「貧富の差」が顕在化している。まあ、あわてることはない。パラメータはたくさんあるのだ。経済的に貧でも技術的に富であれば、経済的に富で技術的に貧な人には必要とされる。


つまり僕がその新聞記事を読んで思ったことは、「言っても仕方ないことを言っているなあ」ということだ。課題も無いのに国民が同じ方向を向くことはない。かといってわざわざ課題をこしらえるのも面倒である。隣を見れば、Aさんは北に向かっている。Bさんは、東に向かっている。Cさんはその場でじっとしている。Dさんに至っては、地中へ向けて掘り進んでいる。そんな中、俺はどうあるべきか?

・・・自分をしっかりもって、自分の信じるほうへ行くしかなかろう。その中で、同じ道を歩む友に出会ったり、だれかと衝突したり、別れたりする。
うおお!!なんて楽しいんだ。集団から離れても、あちらには別の集団がたむろしている。こっちに数人、あっちに1人いる。好きなやつと組んで、好きなことをすればいいのだ。それを楽しめないなんて、かわいそうな人である。まあそういう人は、比較的大きな集団に入って、方向性を与えてもらうといい。大集団の中から、自分たちと別の方向へ行く数人の若者を見咎めて、「おい、そっちに行ってはいけない!!」と喚いている。そんなやつらがいるのもまた、楽しい。そんな人たちが、ときに立ちはだかってくればもっと楽しい。戦う。逃げる。神妙に仲間入りするふりをして、機を見て裏切る。その組織を乗っ取る。いろんなことができる。
時に友情に浸り、時に愛におぼれるのもいい。わが子をかわいがるのもよし、趣味に打ち興じるのも素晴らしい。「これだけは、常に無くてはならない」というものは無い。あらゆる道に、世界は用意されている。楽しみも用意されている。だから、一つの場所、一人の仲間、ひとつの道具にこだわる必要は全く無い。時間は無限に続き、空間は無限の広さを持ち、選択肢は無限通りあるのだ。(何度も言うが、死は終わりではない。また新たな世界で、自己は続いていくというのが僕の信条である。)

多くのコンピュータゲーム中毒者が、死ぬまで入り浸れない原因はここにある。多くの人は、「これじゃいけない、現実世界でがんばらなくちゃ」という焦燥感を持ち始める。これは、現実が最大のゲームだからだ。もっとも広く、臨場感もあり、公式ルールに乗っ取っており、最大級の権威を持つリアルゲームを尻目に、誰かが作ったちっぽけなコンピューターゲームの中で汲々とレベル上げをすることがいかに虚しいか。現実に身をおくからこそ、気づきたくなくても、気づかずにはおれない。

雨が降ってゐる。畑には行かない。農作業以外にも、上げるべきパラメータは無数にある。「何もしない」ことでしか、あがらない能力もある。
何だか世界が、急に新鮮味を増してきたぜ。
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# by takeyabubass | 2006-05-07 07:20 | 思想

「未来→今」の視点を忘れると

自然が、日常風景である。

新緑も、そよ風も、果てしない青空を流れゆく雲も、、ちらちら揺れる透きとおった水も・・・。この自然、以前は壮大な非日常であり、癒しであり、ファンタジックであったのだ。だが今はどうだ。この大地は、山々は、夕暮れは・・・

僕にとってはもはや、アンニュイの象徴に過ぎない。


消しゴムの、使ってない角を探すように。
新品の景色に、会いに行こう。
今も。
このぼろくたびれた体をおもてに持っていけば。
ひんやりとした風が、田んぼのにおいと、かえるの鳴き声を運んでくるだろう。

だけど嗚呼。
文章にしたら、いかにもファンタジックなその風景も!!
実際に行ってみると、やっぱり日常だったとがっかりするに違いないのだ!!

嗚呼僕はどこに行けば。
あの頃の感動を取り戻せるだろうか。
きらきらと、新品の、躍動するこころを手に入れられるのか。
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# by takeyabubass | 2006-05-07 05:00 | 自然

かみさま かみさま

書くよりほか、どうしようもない時間がある。

・・・・書くことを許してください。
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# by takeyabubass | 2006-05-06 21:21 | なんとなく

「晴漕雨読(リンクあり)」の記事を読んで

閉鎖療法という言葉は始めて聞いたが、経験上、傷口を乾かさないほうが早く直るとはうすうす気づいていた。

農作業時、僕は軍手をしない。素手だ。なぜかと言うと、木登りなどのときにしっかりとつかめるし、剪定や摘果の作業では、枝や実の様子を敏感に感じ取れるからだ。

当然、傷を負うことも多い。剪定ばさみや接木のナイフなどは、少し誤ったらスッパリと手を切ってしまう。そんな中、はじめに気づいたのは、「出血多量の恐れがなければ、血は出しっぱなしにしておくほうがいい」ということだ。
血は、拭いても拭いても出てくる。しかし健康な人なら、血というのは外気にふれると固まるようにできている。放っておけば傷口は、表面だけが乾いた血の皮膜に覆われる。僕は気に留めず、作業を続ける。

しかし、そうは問屋がおろさない場合もある。例えば、指の関節の外側を切ったとしよう。この場合、いくら血が固まっても、指を曲げるたびに傷口が避け、いつまでも出血する。先日接木をしていて、小指の第一関節にかなりの深さの傷を負ってしまった。僕は困り果てた。接木は今日中に終えねばならぬ、しかし血が止まらない。

そこで、「メデールテープ」という、接木の乾燥防止に使う、ロウでできた薄い幕を傷口にまきつけた。強くまきすぎると血が止まって嫌なので、その圧力で血が止まる程度の強さでまいた。そしてその夜ははがさずに、翌日の午後に剥がした。

するとどうであろう。ぱっくりと開いていた肉片がくっつき、水をかけても大丈夫だった。「これでええんかい!!」と思った。あとはどこかにぶつけてしまわぬよう、バンドエードで保護した。二週間たった今、もう完治している。
これまで出血するたびに作業の手を止められて厄介だったが、これで一つ合理化できた。
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# by takeyabubass | 2006-05-04 12:47

経営判断

ブログにも書かず、周囲にも話さず、水面下で1人遂行してきたことがある。緻密な計画に基づくわけでもなく、直感的に勝算があるわけでもない。しいて言えば、「今の自分を壊す」ための所作である。

畑の面積を、40a増やした。これで2.4Haになった。
面積と労働力は、バランスよく増やさねばならぬ。これまで、「この土地を使ってくれ」と言われても労働力の当てがなかったり、「雇ってくれ」と言われても面積拡大の当てがなかったりして困っていた。しかしそう都合よく、両方が手に入ることなどないのだ。だから思い切って、面積だけを増やした。これで、なんとしても労働力は確保せねばならぬ。背水の陣である。自分としては、かなり勇気の要る決断だった。

土地は、期間契約の借地である。本年度から作り手のいなくなった土地を引き受けた。ポンカン、早生みかん、カラマンダリン、はるみ、清見などが植えられている。東南向きの段々畑で、うまいみかんのできる条件は整っている。モノレールとスプリンクラーも設置されている。
だが山林に面していて、しかも手入れが粗放的なのでしばらくは大変である。おととい初めて草を刈ったが、自分の畑なら春草はサクサク刈れるのに、そこは一筋縄ではいかなかった。おそらく、それまでは除草剤ばかり使っていたのだろう。強い草や潅木がはびこっていた。
イノシシも侵入している。折を見て、また柵を張り巡らさねばならぬ。


そういうわけで、このところしばらくは仲間探しに奔走せねばならなかった。もちろん、農作業・家庭教師と平行してである。そうしてなんとか、臨時雇用を1人、獲得した。地元で家業を手伝う同級生である。彼の仕事は不定期なので、来られるときだけ来てもらうことにした。草刈機、チェーンソー、モノレールを操ることができ、機械に関する知識は人並み以上である。苛酷な労働にも耐え、飲み込みも早い。ここでは「王平(オーヘー)」と呼ぶことにする。今は彼が忙しいので、週一回来てもらっている。

「自分を壊す」ことが今回の目的だが、ただ壊れるだけでは芸がない。そこから何か、つかみたい。成長したい。もちろん、壊れずに軌道に乗せることができれば最高だ。
規模拡大は、放棄地の増加、地域産業の衰退を食い止めるための、一つの道である(他の道も否定はしないよ)。だから僕の選択は、地域からみても、国から見ても、間違っていない。ただ、手段が問題である。月並みではあるが、僕が打ち出した大雑把な方向性は、

「人を育てること」と、
「粗放栽培・労働集約栽培のくみあわせ」である。

いくら規模を拡大しても、いわゆる「機械化ビンボー」になってはいけない。大型機械や薬剤に頼りすぎることは、自分が儲からないだけでなく、地域の富を流出させることにもつながる。「人」ほど優秀な機械はない。そのへんが、最近の農業ではないがしろにされている気がするのだ。楽をすることが良いという風潮は、人力が持つ果てしない可能性を埋もれさせる。「自分」が儲けたいなら、「自分」という機械を駆動させねばならない。はたらく喜びというか、そのへんの価値観を地域、いや日本全体が取り戻せたらなあと思う。だから僕は、自分も含めて「人」を育てようと思う。

面積が増えてくると、全ての畑に全力を傾注するわけには行かなくなる。「この畑は丹精込めて、うまいみかんを作る」「こっちの畑は粗放的に、加工原料をつくる」という使い分けが大事だ。加工原料の場合、見た目や味はそれほど重視しないので生食用よりも低コストでできる。しかし農協のジュースのように二束三文で売ってしまっては割に合わないので、ここで単価をとるためには、営業面が重要だ。また品種の選定やコスト削減も大事である。
今思いつく、「単価の取れる加工原料」は梅、レモン、福原オレンジ、三宝などである。これは現状で販売ルートがある。しかしそれもいつまでもつかは未知数である。むしろ積極的に、加工品を考案し売っていくところまで考えねばならない。当然それは一人ではできない。いろんな業種と交渉しながらやっていく必要がある。


農業もここまで考えると、できれば臨時雇用ではなく、正規雇用が望ましい。しかし単なる一農家が、新卒者を正規雇用するのは難しい。だいぶ先の話になるだろうが、法人化も必要になるだろう。そうしてわが社は、地域に根付いた農業生産法人となり、放棄地も守り、地元高卒者の雇用の増加にも一役買うのである。

企業に人を育てる気概があれば、生徒全員がこぞって大学を目指すようなゆがんだ教育も少しは是正されるだろう。本人に根気とバイタリティさえあれば、学歴に関係なく、いや高卒は高卒の、大卒は大卒のメリットを生かした社会貢献が、本来は可能なはずである。
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# by takeyabubass | 2006-05-04 05:52



架空の人物「竹やぶ」のブログです。書いてある出来事はフィクションです。論や思想も、架空の前提をもとに展開されているため「筆者の意見」という訳ではありません。
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