ヤブログ本館

2006年 05月 07日 ( 2 )

ゲームオタク 竹やぶ

とある新聞の社説に、こんなことが書いてあった。

「多くの若者は自己中心的である。自分以外はみな利害対立者であるという、ぎすぎすした世の中である。個人主義が行き過ぎて、孤人主義になってしまった。これは家族機能の崩壊が原因である。だから国は、家族の絆を深めるような政策を打ち出さねばならない」


僕がおもしろがったのは、家族機能うんぬんよりも、「孤人主義」を嘆く筆者の心境である。

戦時中は、「みんなでがんばって、戦争に勝とう!」というムードがあったので、なんとなく同じ方向に、国民が向かっていった。戦後から高度成長期にかけては、みんな貧困だったので、「一緒にがんばって、豊かな日本にしよう」というムードがあったようだ。で、力を合わせて働いた。

その結果、豊かな日本が実現した。戦争も、放棄して久しい。目に見える問題は、あらかた片付けてしまったのである。国民的課題は、今のところ無い。その時点で、もっと豊かになりたい人、現状でいいという人、現状でもしんどいのでもっと貧しくてもいいという人・・・、人は様々なほうを向きはじめた。そこで自分の持ち物を携えて、今度は自分の好きな方向へ行ってみようという時代になった。つまり価値観が多様化した。

そうなって、だいぶになる。日本社会は、新たな局面を迎えつつある。みんながてんでばらばらに自分の行きたい方向に流れた結果、「二極化」が表面化しつつある。時代は、混沌から定型的なものへと進行しつつある。
経済的にも、知能的にも、体力的にも、技術的にも、道徳的にも「貧富の差」が顕在化している。まあ、あわてることはない。パラメータはたくさんあるのだ。経済的に貧でも技術的に富であれば、経済的に富で技術的に貧な人には必要とされる。


つまり僕がその新聞記事を読んで思ったことは、「言っても仕方ないことを言っているなあ」ということだ。課題も無いのに国民が同じ方向を向くことはない。かといってわざわざ課題をこしらえるのも面倒である。隣を見れば、Aさんは北に向かっている。Bさんは、東に向かっている。Cさんはその場でじっとしている。Dさんに至っては、地中へ向けて掘り進んでいる。そんな中、俺はどうあるべきか?

・・・自分をしっかりもって、自分の信じるほうへ行くしかなかろう。その中で、同じ道を歩む友に出会ったり、だれかと衝突したり、別れたりする。
うおお!!なんて楽しいんだ。集団から離れても、あちらには別の集団がたむろしている。こっちに数人、あっちに1人いる。好きなやつと組んで、好きなことをすればいいのだ。それを楽しめないなんて、かわいそうな人である。まあそういう人は、比較的大きな集団に入って、方向性を与えてもらうといい。大集団の中から、自分たちと別の方向へ行く数人の若者を見咎めて、「おい、そっちに行ってはいけない!!」と喚いている。そんなやつらがいるのもまた、楽しい。そんな人たちが、ときに立ちはだかってくればもっと楽しい。戦う。逃げる。神妙に仲間入りするふりをして、機を見て裏切る。その組織を乗っ取る。いろんなことができる。
時に友情に浸り、時に愛におぼれるのもいい。わが子をかわいがるのもよし、趣味に打ち興じるのも素晴らしい。「これだけは、常に無くてはならない」というものは無い。あらゆる道に、世界は用意されている。楽しみも用意されている。だから、一つの場所、一人の仲間、ひとつの道具にこだわる必要は全く無い。時間は無限に続き、空間は無限の広さを持ち、選択肢は無限通りあるのだ。(何度も言うが、死は終わりではない。また新たな世界で、自己は続いていくというのが僕の信条である。)

多くのコンピュータゲーム中毒者が、死ぬまで入り浸れない原因はここにある。多くの人は、「これじゃいけない、現実世界でがんばらなくちゃ」という焦燥感を持ち始める。これは、現実が最大のゲームだからだ。もっとも広く、臨場感もあり、公式ルールに乗っ取っており、最大級の権威を持つリアルゲームを尻目に、誰かが作ったちっぽけなコンピューターゲームの中で汲々とレベル上げをすることがいかに虚しいか。現実に身をおくからこそ、気づきたくなくても、気づかずにはおれない。

雨が降ってゐる。畑には行かない。農作業以外にも、上げるべきパラメータは無数にある。「何もしない」ことでしか、あがらない能力もある。
何だか世界が、急に新鮮味を増してきたぜ。
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by takeyabubass | 2006-05-07 07:20 | 思想

「未来→今」の視点を忘れると

自然が、日常風景である。

新緑も、そよ風も、果てしない青空を流れゆく雲も、、ちらちら揺れる透きとおった水も・・・。この自然、以前は壮大な非日常であり、癒しであり、ファンタジックであったのだ。だが今はどうだ。この大地は、山々は、夕暮れは・・・

僕にとってはもはや、アンニュイの象徴に過ぎない。


消しゴムの、使ってない角を探すように。
新品の景色に、会いに行こう。
今も。
このぼろくたびれた体をおもてに持っていけば。
ひんやりとした風が、田んぼのにおいと、かえるの鳴き声を運んでくるだろう。

だけど嗚呼。
文章にしたら、いかにもファンタジックなその風景も!!
実際に行ってみると、やっぱり日常だったとがっかりするに違いないのだ!!

嗚呼僕はどこに行けば。
あの頃の感動を取り戻せるだろうか。
きらきらと、新品の、躍動するこころを手に入れられるのか。
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by takeyabubass | 2006-05-07 05:00 | 自然



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