ヤブログ本館

手抜き投稿(提出済みレポートをそのまま利用)

ヨーロッパ農業視察研修レポート
     
9月2日から9日にかけて、我々はイタリア・フランスを視察した。農業視察という点では、イタリア南部が今回の目玉であったと思うので、当地での訪問先の概要と、それを見て自分が思ったことを述べ、最後に総括したい。

①イタリアのレモン農家
 地中海沿岸部で、認証に基づきレモンの有機栽培をしている農家を訪れた。2haほどを老夫婦が管理しており、収穫期のみ5~7人を雇うという。近隣農家も有機栽培がほとんどで、2haという面積はやや広いほうらしい。後継者不足は周辺農家共通の悩みと言っていた。
 栽培技術は、粗放的・原始的に見えた。樹は間伐せず伸びるに任せており、縦に長い樹体がうっそうと茂っていた。摘果もしない。乾燥しているので、病害虫はもともと少ない。収入は少ないが、栽培コストが余りかからず補助金もあるので赤字ではないと言っていた。その家では民宿も経営しており、見学の最後に、お袋さん手作りのレモンを使ったいろんなお菓子が振舞われた。
周辺には料理教室、レストラン、直売所、乗馬体験、収穫体験などもあり、海水浴場も近いのでバカンスの時期には大勢の観光客で賑わう。ソレントだけでなく、国も政策的にアグリツーリズムによる農家収入の増加を促している。
しかし農村の観光への傾斜は、農地の粗放化をもたらすとも感じた。またガイドさんの話では、はやり廃りが激しく既存の業界との摩擦も起こりやすい観光業への移行は、農家にとって必ずしも益ばかりではないという。
世界的な観光資源も乏しく、高温多湿で病害虫・雑草の多い農業条件の日本では、イタリアのような大がかりな展開は難しいかもしれない。

②農業生産者組合「ソラグリ」
370人の地元民からなる組織。地元農産物の集出荷と加工を行う。青果・加工原料あわせて、レモン1Kあたりの農家手取りは60セント~1.2ユーロ(80円~170円)。レモンにおいて、IGP(地域保護指標)を取得している。我々が見学したとき、ちょうどアメリカの商人が製品を買い付けに来ていた。地域の農家の出資によるさほど大きくもない組合が、ソレントレモンのよい香りとまろやかな味を売りにして、有機という付加価値をつけ、EUの指標も取り、世界に売っているのである。これはすごいことである

③レモンチェロ工場「ヴィラ・マッサ」
レモンチェロとはレモンの皮をアルコールに浸してできた液に、砂糖を加えたものである。ソレントではもともと、どの農家も自宅でこれを作っており、レモンが売れなくて困った農家らが試行錯誤の末、その工場を立ち上げた。
1997年にアメリカのケーブルテレビに取り上げられたのがきっかけで世界的に有名になり、今では年商6億5千万円までになった。使っているのはソレントレモンのみ、従業員も9割がソレント人という徹底的な地場産品である。 
地域に伝わるうまいものを掘り出し、本気で商品にして世界の富裕層に売り出す。これはグローバル化の中で日本の中山間農業が生き残る上でも、あるいは地域に人を呼び戻し活性化を図る上でも、大きなヒントになるだろう。

総括として、傾斜地で家族経営による果樹栽培を行っており、いろんな意味で規模拡大が難しいという点で、紀南地域とイタリア南部は似ていると感じた。そんな彼らが見出した活路が、有機農業、アグリツーリズム、そして地場産品の振興というわけである。特筆すべき点は、地元民によるレモンの加工品が、地産地消にとどまらず世界から認められ、買われていることである。イタリアでは、地域と世界が繋がっている。そこを我々も参考にすべきである。
[PR]
by takeyabubass | 2005-10-06 22:07 | 仕事
<< オタク疑惑 あかん >>



架空の人物「竹やぶ」のブログです。書いてある出来事はフィクションです。論や思想も、架空の前提をもとに展開されているため「筆者の意見」という訳ではありません。
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
リンク

LetMeBeThe犬!(レット・ミー・ビー・ジ・ワン!)
松本リューのブログです。6年来の友人です。繊細な感覚と親しみやすい文体で、音楽評論や黄昏流星群をつづっています。

私たちの地域研究所
んまさんのブログです。農機具の部品を作っておられます。冷徹な考察と、実地でのたゆまぬ努力に基づく地域政策は、まさに圧巻です。

喫茶ゴリラ
幼なじみのご両親が営む、喫茶店のHPです。マスターと話していると、いい考えが浮かびます。近い将来、僕の音楽活動の拠点にできたらなあ。

晴漕雨読
友人、かまたにさんのブログです。仕事、読書、ネット、自転車と、非常にコントロールされた生活が伺えます。あくなきストイシズム。

ぷは  ジコチュ日記
後輩、ホトリさんのブログです。現役女子大生の苦悩と諦観がにじみ出ています。痛かわいい。

駄目ぱんだ日記
ペン裏ソフト、ドライブ攻撃型のmisutinさんが兄妹で管理するブログ。内容は、アニメやゲームの批評など。辛口です。

N-style
愛媛のアカペラバンド、 ながはまーずのHPです。今は活動していませんが、再結成の可能性は高いです。

ヤブログ別館
竹やぶの写真館です。

竹やぶの里
竹やぶのホームページです。ここから筆者にメールできます。リアルな筆者への問い合わせは、こちらからお願いします。
以前の記事
最新のトラックバック
テラびしょびしょw
from お・な・に・ぃ
alberta weat..
from alberta weathe..
負けても勝ち組w
from ドンパッチ
ben harper l..
from ben harper lyr..
the war and ..
from the war and pe..
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧